2023年1月号 主な内容

特集 ごみを資源に転換 フードコートの紙ごみを再生 全国初、行政と企業が連携
 座間市(神奈川県)は、本年1月から大型ショッピングモールのフードコートで発生する「紙ごみ」の資源化実証事業を、企業と連携して取り組む。セルフサービス形式で食事がとれる屋内広場であるフードコートからは、食べかすやマヨネーズなどの油分が付着した紙ごみが発生し、これらは資源化が不向きとされ焼却処分されていた。それを製紙メーカーや古紙問屋、収集運搬業者団体などと連携することで資源化ルートに乗せ、ごみの焼却量を減らしていく。行政と企業が連携して「合わせ技」で取り組むこの事業、国内では初となる。
 「ミックスペーパー・リサイクルプロジェクト」との名称で取り組む今回の実証事業は、座間市とイオンモール座間、コアレックス信栄㈱、㈱大久保、座間市リサイクル協同組合という行政と企業が連携して、イオンモール座間のフードコートから出る紙ごみを資源化のルートに乗せていく。
 昨12月20日、関係者出席のもとイオンモール座間1階ノースコートで記者会見が開かれた。冒頭あいさつに立った佐藤座間市長は、「イオンモールさんからSDGsに取り組みたい、とくにごみの減量化について座間市と協力して進めていきたいという相談があった」と事業のきっかけについて説明。
 さらに同市と海老名市、綾瀬市の3市は、「高座清掃施設組合と広域協定でごみの焼却処分を行っているが、焼却炉の能力が決まっているので各市ごみの減量に取り組んでいる。家庭系そして事業系も減量して……

◆環境政策 第六次環境基本計画に向けて 基本的事項について検討 これまで以上に幅が広がる 環境省は「第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会」(座長・高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授)の第2回会合を1月16日、リモート形式で開催した。第五次環境基本計画では、策定後6年程度が経過した時点をめどに計画内容の見直しを行うこととしており、6年目にあたる令和5(2023)年度……

◆循環型社会 環境部会で骨子案審議 23年度からの施設整備計画 脱炭素・資源循環の一体的推進 環境省の中環審循環社会部会(部会長・酒井伸一京都高度技術研究所副所長)は昨年12月23日、2023年度~2027年度の5年間を計画期間とする「廃棄物処理施設整備計画」(施設整備計画)の骨子案について審議を行った。施設整備計画は……

◆地域循環 耕作放棄地における ソーラシェアリング 地域循環共生圏の創出②  先月号でお届けした「耕作放棄地におけるソーラシェアリングによる地域循環共生圏の創出」の実践例の続き。兵庫県宝塚市で「すみれ発電所」を立ち上げ、耕作放棄地を利用したソーラシェアリング市民農園を実施し、軌道に乗せた井上保子さんは、市民農園などで収穫した「さつま芋」を東京銀座のミツバチプロジェクトに提供することで「芋焼酎」をつくることになった。様々なネットワークができて広がり……

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その7) 家庭ごみの処理費用㎏63円 事業系ごみと大きな差が 東京23区一部清掃事務組合(清掃一組)の資料によると、ごみ1トンあたりの処理費用は6万2932円(令和2年度)と記されている。㎏に換算すると約63円だ。これが家庭ごみの処理費用。一方、条例で上限が定められている事業系ごみの処理費用はというと……。

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸48 一時金すらままならぬ状況 処理手数料制度が課題 ロシアのウクライナ侵略、驚異的な円安などから凄まじい物価上昇に見舞われている。岸田総理は企業にベースアップの要求を出し、それに呼応するように経団連は1月17日、23年の春季労使交渉の経営側指針で「賃金引き上げは企業の社会的責務」などとする内容を発表した。あちこちで「ベースアップ」や……

◆視 点 コロナ禍の23区のごみ量 2022年の事業系は79万トン 年後半に回復軌道に乗るか コロナ禍でごみの排出量がどう変化しているのか、東京23区清掃一部事務組合は都内の清掃施設に搬入される毎月のごみ量を取りまとめ発表している。2022年12月の搬入量が出されたことで1年間の搬入量……

◆データ プラスチック資源循環協会 21年の有効利用量717万t 有効利用率87%と過去最高 (一社) プラスチック資源循環協会はこのほど、「2021年プラスチックのマテリアルフロー図」を公表した。新型コロナの影響を受けながらも生産活動に回復基調がみられ、樹脂製品の需要増により樹脂生産量も増加。

◆オブジェクション 管理会社を考える16 廃棄物も資源物も何もかも 対象とする物が広がった 排出事業者から発生する廃棄物はおろか、様々な資源物さえ管理会社が押さえているケースが多くなっているようだ。つまり廃棄物も資源物も何もかもということだ。あえて排出事業者の業種には触れないが、いまから3~4年前から、あるいは……

◆賀詞交歓会 公財)古紙再生促進センター 持続可能な紙Rシステムを/関東製紙原料直納商工組合 固定観念見直しの時期

◆廃プラ輸出 単価のトレンドは弱含み、中国経済の停滞が重石

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ 鉄スクラップ輸出価格上昇、電炉も値上げ
古  紙 古紙関係者は分岐点に立っているのでは
故 繊 維 原料故繊維の超高値は「悪夢」の再来
容  器 アルミ缶の輸出量、リサイクルの憂慮
カレット エシカルダイニングの普及活動を開始
ニュース 地域循環共生圏の創造活動団体公募 ほか

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