ごみ処理仲介業の進出

 排出事業者と一般廃棄物処理業者の間に割って入り、排出事業者と代理人契約を結び、既存の業者より処理費の安い業者にごみ処理を切り替えていく「ごみ処理仲介業者」。排出事業者に向けての仲介業者のセールストークは「おたくはいくらでごみ処理を委託していますか。もっと安くできますよ」というのが一般的なようだ。東京では排出事業者からごみ処理を委託されていた業者が、入り込んできた仲介業者に価格のダンピングを迫られ、それを断ったがために他の業者に切り替えられてしまったという例が頻発。


 彼らは時として「管理会社」との名称を使うが、電気や清掃、駐車場など、そのビル一棟をすべて管理する「ビル管理会社」とは様相をまったく異にする。また廃棄物全般をコンサル、管理する管理会社とも違う。ごみ処理のみに特化して、いまより安い処理業者に付け替えて行くだけの管理業(というより仲介業)なのだ。

 処理費の流れは排出事業者から仲介業者に渡り、仲介業者がハネた残りを処理業者に渡す。情報開示のこの時代にありながら、処理業者は排出事業者が仲介業者にいくら支払っているか分からないという「ブラインド(目かくし)」がかけられている。

 既存の処理業者が切られ料金の安い処理事業者に切り替えられるわけだから、処理業界の間に混乱が起きるのは当然のこと。しかも仮りに不適正処理が行われても処罰されるのは排出事業者と処理業者ということになり、仲介業者はその責任を免れる。「仲介業のやり方は、排出事業者と処理業者との直接契約を指示している廃棄物処理法に違反しているのではないか」と盛んに指摘されている。黒とは言いがたいが、限りなく黒に近いグレーといった商法だ。


 既存の処理業者が切られ料金の安い処理事業者に切り替えられるわけだから、処理業界の間に混乱が起きるのは当然のこと。しかも仮りに不適正処理が行われても処罰されるのは排出事業者と処理業者ということになり、仲介業者はその責任を免れる。「仲介業のやり方は、排出事業者と処理業者との直接契約を指示している廃棄物処理法に違反しているのではないか」と盛んに指摘されている。黒とは言いがたいが、限りなく黒に近いグレーといった商法だ。

ごみ処理仲介業の進出/番外編。管理会社の社長、訴えられる。


 以前、廃棄物処理管理会社(といっても仲介業)の仕事を請けていた廃棄物処理業者が、その管理会社の社長と自社の元従業員を「特別背任」の容疑で警察に刑事告訴した。すでに警察もこの訴えを受理。捜査のメスが入ることになる。排出事業者と処理業者が直接契約を結ばず、間に仲介業者が入ったために起きた事件だ。どういう経緯で告訴にまで至ったのか。(05年8月号と9月号に掲載)

ごみ処理仲介業に新たな動き/複雑化する仕組み(06年4月号)


 ごみ処理仲介業が排出事業者と処理業者の間に割って入り、処理費用の安い業者にチェンジしていく方法はよくあるパターンだが、最近になって複雑なシステムをとる仲介業者が現れた。かなり以前に動脈産業から静脈産業に参入してきた大手企業が、下に置いた処理業者を「窓口」にして仲介業を始めたのだ。金融・リース業をメインとするこの大手企業は、かなり以前から静脈産業に参入しているが、悲しいかな処理のノウハウがない。そこで自身は排出事業者からごみ処理の仕事をとってきて(つまり仲介の元請け)、その管理を下に置いた処理業者にやらせる方法をとった。要するに処理業者が「窓口」となって、地域の処理業者を選択するという、まことに複雑な仕組みだ。処理料金は、排出事業者⇒仲介元請け企業⇒窓口の処理業者⇒実務を担当する地元収集運搬業者という流れになり、実際に収集運搬する業者は結果として二重に「口銭」が抜かれることになる。区清掃協議会は、その「手引き」で排出事業者と処理業者の直接契約を指導しているものの、法的には「グレーゾーン」というのが仲介業の位置だ。最近では仲介業者同士がお互いのテリトリーを食い合っているようで、処理の現場に混乱をもたらすとの指摘もある。

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