2020年6月号 主な内容

特集 事業系一廃業者のケース 売上げ低下環境への対応 コロナ余波長期化を見据え
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、市民は不要不急の外出自粛が求められ、飲食店やデパート、カラオケ、スポーツジム、ライブハウスなど軒並み休業要請や営業時間の短縮要請が出された。経済活動に急ブレーキがかかり、事業所からのごみは大きく減った。政府が制限をかけていた都道府県をまたぐ移動が6月19日、全面解除されたことで経済活動再開の動きが広がりつつあるが、コロナの余波は長期化しそうだ。売上げ低下の中、事業系一廃業者に様々な対応の動きが見える。何人かの業者に話を聞いた。
東京都は感染者が多いため都民の行動は、感染を恐れて自ずと足が外に向かない。「自己規制」がかかる。これに国や東京都の「外出自粛要請」や「営業時間短縮要請」が加わったものだから、事業系ごみが激減するのも無理はない。業者が扱う事業系ごみの量がどのくらいになっているのか。ある大手業者は「前年同月比で4月は35%減、5月は……

◆プラ戦略 ‐プラ循環戦略第2回会議 PET自動回収機などを評価 関係者からのヒアリング- 中環審と産構審の「プラスチック資源循環戦略」の第2回合同会議が5月26日に開催された。新型コロナの影響で今回もWeb形式によるもの。今回と次回は関係者のヒアリングを行う予定。今回は、持続可能な社会をつくる元気ネット、CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)、日本フランチャイズチェーン協会、日本プラスチック工業連盟など7団体が取組みや意見を述べた。コンビニに設置されているPETボトル自動回収機のシステム評価や新型コロナの影響によるプラスチックの状況などについて意見交換が行われた。

◆バーゼル ‐汚れた廃プラの移動を規制 該非の国内判断基準策定へ バーゼル条約1月から発効‐ 来年1月から汚れた廃プラの輸出に規制がかかる。2019年スイスジュネーブで開催されたバーゼル条約の第14回締結国会議(COP14)において決議されたもので、規制対象となる廃プラについて「特別の配慮が必要な廃プラ」と規定された。これは具体的にどのような廃プラが該当するのか。各国の解釈によるところとなるが、常識として「汚れた廃プラ」といえるだろう。こうしたことから国は、当該廃プラが規制対象に該当するか否かを判断するため、国内における判断基準を策定することとした。6月10日、第1回検討会がWeb会議形式で行われた。

◆故繊維 ‐競争入札への疑義① 資源売却は当初随契だった 市場経済導入で不安定に‐ 3月から5月にかけて、国内は故繊維(古布・古着類)が溢れ返った。その理由については再三書いてきたから触れないが、故繊維の引取りに競争入札制度を導入した自治体の中には、落札者が引き取りに来ないという事態に陥り、てんやわんやするところもあった。自治体が回収した故繊維が、なぜ引き取られなくなったのか。その「根本原因」は、以前から実施していた地元業者との「随契」による方式を、「競争入札」に変更したことにあると言えるのではないか。ごみ処理に市場経済を導入したことで安定した処理ができなくなった、ということだろう。

◆容リ落札 ‐令和元年度の有償落札分 PETボトルと紙製容器包装 総額91億円を市町村に配分‐ 日本容器包装リサイクル協会(容リ協)は、令和元年度(2019年度)の入札で有償落札となったPETボトルと紙製容器包装の総額約91億円をそれぞれの市町村に配分した。91億円のうちPETボトルが88.9億円と98%を占める。PETボトルで5000万円以上の配分があった市町村を抜き出してみた。

◆残置物 ‐建物解体時の残置物④ 残置物は「ごみ」ではない 勝手に処分できない- 事務所の解体やリフォームなどの残置物の処理は、事務所の所有者がはっきりしている場合はそれほど面倒なことにはならない。しかしこれが例えば、事務所を借りていた人物が夜逃げなどして、その事務所を所有していた人物がリフォームしなくてはならないような場合、法律に則ってきちんとやろうとすると厄介なことになる。コロナ禍のこの状況、飲食店を含めて夜逃げなどの事態が発生してもおかしくはない。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界52 「模索」の時が訪れている 業界環境、コロナで変化‐ 新型コロナウイルス感染拡大防止のため政府が「緊急事態宣言」を発令したのが4月16日のこと。それから2カ月たった6月19日に都道府県をまたぐ移動や接客を伴う飲食店に対する営業自粛要請を全面的に解除した。東京都もこれに足並みをそろえた。この間、飲食店をはじめ、あらゆる事業所からごみの排出量が激減した。例外はスーパーなどごく限られた事業所だ。自粛要請解除といっても客足の戻りは鈍い。ごみの発生も当然それに準じた量となる。事業系一廃処理業者は今後、業をどのように展開していけばいいのか――。長丁場を見据えた模索の時が訪れている。

◆データ ‐平成29年度の状況 産廃処理施設の設置等 最終処分場が133件の減少‐ 環境省はこのほど、平成29年度(2017年度)の産業廃棄物処理施設の設置や産業廃棄物処理業の許可等に関する状況を取りまとめ発表した。施設の設置は前年比で中間処理施設数は84件増加したものの最終処分場数は133件の減少となった。処理業の許可は産廃が4849件、特管産廃は240件それぞれ増加した。

◆時の話題 ‐一般廃棄物処理の新機軸23 分かりやすい料金体系に この業界は変革が必要だ‐ 新型コロナの影響で事業系一般廃棄物処理業者の売り上げが落ちている。6月19日、政府はコロナ対策として自粛を要請していた都道府県をまたぐ移動を全面解除した。ライブハウスやナイトクラブの休業要請も解除された。観光地などへ多くの人が繰り出したようだ。経済が徐々に回復へ向かう気配だが、訪日観光客は戻らず、回復を確信できるようになるのはまだ先だ。事業系一廃業者はこういう経験をしてきた今こそ、排出事業者と処理業者のお互いにとってわかりやすい処理料金システムの導入が必要だろう。それは業界の変革ということになる。

◆調査結果 ‐中国廃プラ禁輸の影響状況 「保管量増加」が緩やかに 処理料金値上げ傾向変わらず‐ 環境省はこのほど平成29年末(2017年末)より中国が廃プラ輸入禁止措置を行なったことによる影響について、自治体(都道府県と政令市)および産廃処理業者(中間処理業者と最終処分業者)に実施したアンケート調査結果を発表した。調査は本年8~9月に行われたもので、平成30年8月の第1回目調査から数えて4回目。過去から確認されてきた廃プラ保管量増加傾向が緩やかになってきた。一方、産廃処理業者の処理料金は値上げ傾向に大きな変化は見られない。

◆読者からの声 国が開催する審議会などのウェブ会議の評判はどうか。

◆廃プラ輸出 4月は2万トン近い減少、新型コロナ対応も影響

◆リサイクルマーケット
鉄くず:輸出先行で価格上昇も天井感出てきた
古 紙:段古紙輸出値軟化、一けた台の先安観測
故繊維:古着市場回復に遅れ、長期化の気配
容 器:PETボトル下期登録、上期と同じ46社
カレット:宴会自粛、飲食店休業で日本酒大打撃
ニュース:バイオマス都市構想策定の支援実施 ほか

5月号 主な内容

 

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