2020年11月号 主な内容

特集 全清連、議連と要望懇談会 コロナワクチン接種など要望 プラ循環やごみ収集方式も
一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連・三井弘樹会長)は10月7日、衆議院第二議員会館において地域廃棄物適正処理推進議員連盟(会長・石破茂衆議院議員)と要望懇談会を開催した。議連からは石破茂会長、斉藤鉄夫幹事長、寺田稔事務局長が、環境省、内閣府、経済産業省からも幹部らが出席。全清連から提出された「ワクチン接種」や「プラスチック資源循環の方向性」など4つの要望事項について意見交換を行った。なお「家庭ごみ触らず収集」に関しては、時間の都合から改めて10月21日に環境省と全清連とで意見交換を行った。
寺田稔事務局長の司会で進められた懇談会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため全員がフェイスシールドをつけて臨んだ。今回の要望事項は、①COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に有効なワクチン接種について、②今後のプラスチック資源循環の基本的方向性について、③将来の一般廃棄物処理のあり方について、④家庭ごみ触らず収集・ごみ収集のありかたについて――の4項目だが、小誌では紙幅の都合によりこのうちの3項目を記す。

◆プラ戦略 ‐プラ資源循環施策会議 「施策のあり方(案)」を了承 制度設計はこれから‐「プラスチック資源循環施策」の第7回合同会議が11月20日にWeb形式で開催された。事務局が合同会議開催のたびに修正が加えられた主な施策を「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」として議題に乗せた。これについて出席委員が議論した結果、委員長に一任する形で「あり方案」を了承。パブリックコメントに出すことになった。「あり方案」は建築物でいうと「土台」「骨組み」にあたる部分といえる。法整備などを含めてどういうプラを、どのように回収ルートに乗せて、誰がリサイクルするのか。そしてその費用は誰が負担するのかなど、様々な制度設計はこれからになる

◆災害廃棄物 ‐令和2年度第1回災対検討会 有償ボランティアなど質疑 人材バンク登録支援制度進む‐ 環境省は10月29日、令和2年度の「第1回災害廃棄物対策推進検討会」(委員長:酒井伸一京都大学環境科学センター長)をWeb形式で開催した。会議では今年7月に九州地区を中心に甚大な被害をもたらした「令和2年7月豪雨」による災害廃棄物の状況と対応を取り上げ議論した。中でも「有償ボランティア」(人吉モデル)は今後の支援のあり方として参考になりそう。このほか今後取り組むべき事項として、現在進みつつある「災害廃棄物処理支援員」(人材バンク)登録支援制度について意見が交わされた。

◆SDGs ‐小田原市の取組みなど紹介 再生エネルギーの地域自給 EVのシェアリング事業‐ 環境省は11月9日、「持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング兼SDGs推進本部円卓会議」をWeb形式で開催した。会合では行政・地域企業が連携した具体的な取り組み事例としてSDGs未来都市にも選定された神奈川県・小田原市を紹介。分科会委員を交えて議論を深めた。小田原市の企業が市内で発電された電気(再エネ)を調達し企業などに安価で提供。この電気を使って電気自動車(EV)のシェアリングサービスを展開する企業も。小田原市は再生エネの自給自足で持続可能なまちづくりを目指す。

◆バイオプラ ‐導入事例集・目標集作成 導入ロードマップ案を提示 認証・表示制度を導入‐ 「バイオマスプラスチック導入ロードマップ検討会」(委員長・吉岡敏明東北大学教授)は11月17日、Web形式で開催された会合で「導入ロードマップ案」が提示され、出席委員一同の承諾を得た。今後修文してパブリックコメントにかける。示された案では、バイオプラ導入に向けた施策として2021年までに「企業の導入事例集および導入目標集」を作成するほか、2025年までの早い時期にバイオプラの「認証・表示」の仕組みをつくり運用を開始するなどとしている。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界57 処理費上限がない市町村も 条例の規定に定めていない‐ 事業系一般廃棄物処理の許可業者が排出事業者から処理費をもらう場合、「上限価格が決められているのでそれを上回る料金はもらえない」ということがよく言われる。で、業者筋からよく聞かれるのは「上限価格は法律で定められているから」ということだ。しかし、上限価格を定めていない自治体もあるのだ。法律で定めるということになると、上限価格を定めていない自治体は法律違反になってしまう。上限価格はそれぞれの自治体の「条例」の規定によるものなのだ。この辺を取り違えて解釈している業者が案外多いようだ。

◆時の話題 ‐一般廃棄物処理の新機軸27 家庭系ごみの入札要件変更 業者に降りかかる災厄‐ 11月1日、「大阪都構想」の住民投票が終わった。下馬評では「賛成」が勝つのではないかとの予測が強かったが、結果は5年前に続いて再び「否決」された。住民投票の結果は「反対」69万2996票、「賛成」67万5829票で、その差は1万7167票と僅差といえるだろう。投票前、都構想が可決されたら新規許可が乱発され、業者間で客の奪い合いが激化する。一廃処理業者の中からはこうした懸念の声が聞かれていたが、これで一安心……。と思ったら、今度は突如として――

◆読者からの声 リチウムイオン電池に何らかの規制が必要では

◆説明会 ‐PETボトル2019年度実績 軽量化率は24.8%と伸長 リサイクル率85.8%に上昇‐ PETボトルリサイクル推進協議会(PET協・佐藤澄人会長)は11月18日、経団連会館よりWeb配信による「PETボトル年次報告書2020」に関する記者説明会を開催した。報告書は2019年度の実績をまとめたもので、トピックスとしては軽量化率が2004年度比で24.8%、リサイクル率も85.8%と共に上昇したこと。また今回からはリサイクルに熱回収を加えた有効利用率を算出しており、推定で98%になるとした。年次報告書は2001年から発行され今回で20周年となる。

◆表彰式 ‐3R推進功労者等表彰 内閣総理大臣賞含め計46件 学校・企業・団体など‐ 3Rに積極的に取り組み顕著な実績を挙げている学校、企業、団体などを表彰する「リユース・リデュース・リサイクル推進功労者等表彰」が10月27日、都内のホテルで開催された(3R推進協議会主催)。内閣総理大臣賞には青森県の深浦町立岩崎中学校と北海道鹿追町の2件が受賞したほか、農林水産大臣賞1件、経済産業大臣賞2件、国土交通大臣賞4件、環境大臣賞1件、同協議会会長賞36件などあわせて46件が表彰された。

◆実証実験 ‐東京都と全清飲 自販機に新Rボックス設置 異物混入低減効果を検証‐ 東京都と全国清涼飲料連合会(全清飲)はこの11月、渋谷駅を中心とするエリアで清涼飲料の自動販売機横に設置しているリサイクルボックス(以下RB)を、新形状のRBに置き換え、異物混入の低減効果を検証する。質の高い使用済みPETボトルの回収、散乱防止などを図る。

◆組合史 ‐東資協70年史を発行 歴史を刻む年史‐ 東京都資源回収事業協同組合(東資協・松本貞行理事長)は、同組合が設立から70年を迎えたことからこのほど、「東資協70年史」(214ページ・非売品)を発行した。再生資源業界の時代の流れを刻み込んだ貴重な年史として編纂されている。

◆廃プラ輸出 経済に回復の動きも 9月輸出、前年を上回る
 
◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ:スクラップ発生低調、輸出値上昇で強気配
古  紙:コンテナ不足で出荷停滞、在庫積み増しへ
故 繊 維:衣類リサイクルに新たな動きが出てきた
容  器:再生材高くても買う元気なのはBtoBだけ
カレット:ガラスびんアワード2021の受付け開始
ニュース:プラ資源循環実証事業アスクルなど採択 ほか

10月号 主な内容

 

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