2022年3月号 主な内容

特集令和4年度の容リ落札結果 PETボトル、過去最高の価格 共倒れになるとの声も
 容リ協会(日本容器包装リサイクル協会)から令和4年度(2022年度)の分別収集適合物の落札結果(速報版)が発表された。PETボトルは上期分の数字だが、落札価格が異常に高い。逆有償を除く有償分で見ると㎏あたり66円だ。上期としてはこれまでで最も高い価格になった。BtoB向けに高値が傾斜しているのだろう。あまりにも高い価格に「これではみんな共倒れになってしまうのではないか」との危機感を口にするリサイクラーも出はじめた。
 容リ協会からPETボトルの上期落札結果が容リ協会から発表された数日後、リサイクラーのひとりと話した。今回の落札価格についてどう思うか聞いたところ「まさかこんなに高い価格が出るとは思っていなかった。高すぎますよ。関東圏の市町村の落札価格をみると㎏あたり89円だなんてとんでもない価格も出ている。高くても80円がリミットではないかと思っていた……。BtoB向けが高いんだな。これじゃ他の業者はついていけないでしょう。みんな(高値に)泣いてますよ」と力がない。
 では一体いくらぐらいの価格が適正と思うか尋ねたところ、やや考えて……

◆災害廃棄物 ‐過去5年間の検討を総括 南海トラフは2.2億t発生 WGから成果や課題を報告‐ 環境省は3月9日、令和3年度としては最後になる「第3回災害廃棄物対策推進検討会」(委員長:酒井伸一京都大学名誉教授)をWeb形式で開催した。過去5年間の検討会の成果や課題を総括するとともに、2つのワーキンググループ(WG)からの報告が行われた。技術・システムWGからは、南海トラフ地震が起きた場合、災害廃棄物発生量は東日本大震災の約10倍に相当する2億2000万トンになるとの推計が出された。

◆事後点検 ‐中環審地球環境部会専門委 低炭素社会実行計画の点検 政府や業界等の実施状況‐ 環境省は2月28日、「中環審地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会」(委員長:大塚直早稲田大学教授)のWeb会議を開催し、温室効果ガス削減について政府の実行計画の実施状況の進ちょく状況および産業界の自主的取組みの進ちょく状況を点検した。政府全体の取組みは2020年度目標である13年度比10%削減を達成した。また、各業種の点検として今回は全産連(全国産業資源循環連合会)など3業種の進ちょく状況を点検した。全産連の場合……

◆シンポジウム ‐ローカルSDGsのデザイン 地域資源循環の仕組みづくり 実施事業者による話題提供‐ 環境省は3月10日、Webンシンポジウム「ローカルSDGs のデザイン~地域の資源を循環させる仕組みづくり~」を開催した。上田康治地域脱炭素推進総括官による基調講演のほか、企業が取り組んでいる「地域循環共生圏」の先進的な事例を発表。また事業者などからの情報提供をもとに「地域循環共生圏」ビジネスの創造に必要な視点や要素などについてパネルディスカッションを行なった。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界73 処理手数料の改定を要請 まともな経営できない環境‐ 新型コロナウイルス感染「まん延防止等重点措置」の適用が3月6日まで延長されることになった東京都。ホテルも飲食もパッとしないところに持ってきてロシアのウクライナ侵攻が勃発した。燃料をはじめ様々なものが値上がりしている。事業系一廃処理業者も当然こうした値上がりの影響を受けている。が、その分の転嫁はできないでいる。それどころか新年度からの道交法の施行規則改正により更なるコスト増が生まれる。これではまともな経営ができない。こうしたことから……

◆オブジェクション ‐管理会社を考える⑧ こんなことにまで…? ある人物からの匿名電話‐ 先月、2月のことだ。ある人物から電話を受けた。所在も名前も名乗らなかった匿名のその人物は、電話口でいきなり某管理会社の名前をあげ、その管理会社を知っているかと聞いてきた。なにを藪から棒にと嫌な予感がしたものだから若干間を置き、会社名は知っていると返したところ、実はその管理会社が……

◆勧 告 ‐総務大臣が環境大臣に勧告 災害廃棄物対策さらに充実を 仮置場の事前準備など‐ 令和4年2月25日、「災害廃棄物対策に関する行政評価・監視の結果」という勧告が、金子恭之総務大臣から山口壮環境大臣に出された。環境省は災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理に向けて、平時における「事前の備え」に万全を期す観点から、「災害廃棄物の発生量の推計」や「仮置場候補地の選定と事前準備」などについて措置を講じる必要があるが、調査した結果……

◆読書からの声 プラ新法の再商品化、わからないことばかりですとの問い合わせ

◆時の話題 ‐一般廃棄物処理の新機軸40 上限価格撤廃に向かう自治体 徐々に変化していく制度‐ 市町村の事業系一般廃棄物処理手数料改定に伴って、収集運搬料金に新たな制度を導入する団体が出はじめている。東京武蔵村山市は昨年(2021年)7月から、これまでごみ処理手数料(清掃工場への搬入料金)に許可業者の収集運搬料金を加えた料金を「上限価格」と規定していたが、ごみ処理手数料のみ値上げして、収集運搬料金の部分は規定を撤廃した。つまり収集運搬料金は許可業者と排出事業者の間で自由に決めていいということだ。一言でいうと「上限価格の撤廃」ということになる。武蔵村山の動きに……

◆ガラスびん ‐びんリユースシンポジウム びんリユース未来の可能性 新たな取り組み事例も‐ びんリユース推進全国協議会(代表・安井至東京大学名誉教授)は3月17日、日本ガラス工業センターにおいて「びんリユースがつくる未来の可能性」をテーマに、市民・行政・事業者などのステークホルダーが一堂に会して考える「びんリユースシンポジウム2021」を開催した。びんリユースはサスティナブルな未来のために寄与できる可能性が十分あるとの認識のもと……

◆データ ‐令和元年度の産業廃棄物 総排出量は約3.9億トン 前年比1.9%の増加‐ 環境省はこのほど令和元年度(2019)の産業廃棄物の排出および処理状況を発表した。総排出量は3億8596万トンで、前年度に比べて約700万トン、率にして1.9%の増となった。

◆廃プラ輸出 1月輸出は3.3万トン

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ:ウクライナ情勢で鉄スクラップ価格高騰
古  紙:温室効果ガス対策で政府も用紙使用削減
故 繊 維:繊昨年の故繊維輸出22.5万tとまずまず
容  器:ガラスびんに可能性広がる「量り売り」
カレット:容リ落札ほぼ変化なし量の減少気がかり
ニュース:家電リ制度の報告書案パブコメ募集 ほか

2月号 主な内容

 

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