2022年4月号 主な内容

特集 循環経済工程表策定の素案 循環経済の脱炭素への貢献 パブコメの意見概要も紹介
環境省の中環審循環型社会部会は4月5日「第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定の素案(案)」についてWeb形式の会議を開催した。同日の部会では素案に対する審議を行ったほか、今年1月~2月にかけて実施した循環経済を最大限利用した将来像についてのパブリックコンサルテーション(事前意見募集)で得られた意見の概要が紹介されたほか、参考資料としてプラ新法の市町村取組み予定アンケート結果なども示された。
循環基本計画の中に示されている項目は大くくりでは「資源生産性」や「資源循環」「地域循環共生圏形成による地域活性化」などがあり、その中に「食品ロス」「プラ焼却量」「一廃・産廃の排出量」等々の項目について、削減や再資源化などの目標が定められている。それぞれの目標に対する進ちょく状況をざっと見たところ、総じて横ばいないしは達成が厳しいという印象だ。委員の中からは「横ばいないしはやや下向きが多いというのは、今の体制ができて循環型社会構築に協力的になったが、それができなくなってきた。降りる人が出てきて横ばいになったのかなと。そうなると今の体制そのものでは向上は難しい。きっかけが必要」と述べ、さらに「地域循環共生圏などがあるが、共通の政策とか人々にどうやって情報をつたえるか、新しい伝え方というのを模索する必要があるのかなと思った」と語った。
 また、参考資料として出されたプラ新法に対する市区町村の取組み意向アンケート調査結果では、回答のあった1455団体のうち……

◆脱炭素 ‐環境省カーボンP小委員会 自国でのエネルギー確保必要 ウクライナ情勢で価格高騰‐ 環境省の「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」が3月28日、Web形式で開催。議題は「ポリシーミックスとしてのカーボンプライシング」だが、委員からは専らウクライナ情勢を踏まえたエネルギー危機に関する意見が多かった。今回のようなエネルギー価格高騰に対して、外国からのエネルギーに頼るのではなく、改めて自国でのエネルギー確保の必要性が認識された格好だ。CPの制度設計の議論についての話は……

◆気候変動 ‐報道などでよく取り上げる 政府間パネルICPPとは 4つの部会と報告書‐ 気候変動に関する報道でたびたび出てくるのが「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」という言葉。とくに「ICPP」という言葉はよく聞く。これは国際的な専門家でつくる地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構のことを指すのだが、いまひとつよくわからない。つい最近もICPPの会合が3月21日から4月4日に開催され……と報じられた。ICPPの作業部会が出している報告書の中身を詳しく知る必要はないが、ICPPの概要だけでも知っておいたほうがいいだろう。GESのウェビナーからごく簡単に紹介する。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界74 時代が迫る業界の合理化 手数料値上げでは解決困難‐ 「まん延防止等重点措置」が3月21日に全面解除された。2カ月半ぶりの解除となるが、4月半ばになっても東京の感染者数は目に見えて大きく減っている感はない。少しずつ「もたつきながら」減少に向かっているような気配といったところだ。コロナによって社会が、時代が大きく変わった。新たな時代が事業系一廃業界にも押し寄せてきている。それは……

◆容リ落札 ‐容リ協のPET落札状況 上位数社への偏在が鮮明に さらに進む寡占化‐ 先月号の特集で触れたが、令和4年度(2022)の容リ法制度による落札結果が容リ協会から発表された。注目されるのは上期分のPETボトルの落札平均単価と再商品化事業者(リサイクラー)ごとの落札量だ。落札価格の上昇が結果、それに対応できる業者のところに玉が集まっている。つまり偏在化しているわけだが……

◆ECO製品 ‐ストレッチフィルム再生利用 廃プラ100%使用した「ごみ袋」 資源の有効利用とCO2削減‐ 使用済みプラスチックを100%使用した「ごみ袋」がお目見えした。原料は配送センターや工場などから排出される「ストレッチフィルム」。これを再生ペレット化してごみ袋の生産につなげた。ごみ袋といえば東南アジアなど海外で生産された輸入品がほとんど。輸送段階でCO2が排出され、輸入することによって廃プラが増加することになる。このごみ袋は日本国内生産で、焼却されていたストレッチフィルムを100%再生利用することで資源を有効利用し、CO2排出削減にも寄与する。販売して日は浅いが、排出事業者や処理業者から強度や使い勝手など品質がいいと評判だ。エコマークも取得済み。

◆データ ‐令和2年度のごみ排出量 4167万tで前年度比2.5% コロナの影響影を落とす‐ 令和2年(2020)度の全国のごみの総排出量は4167万トンで前年(2019)度比107万トン減、率にして2.5%の減少となった。令和2年度は新型コロナ感染拡大に襲われた最初の年。その影響が100万トンを超えるごみ排出量の減少に表れた形だ。

◆データ ‐市町村の容器包装分別収集量 令和2年度は285万トン 巣ごもりで15万トン増加‐ 令和2年(2020)度に全国の市町村が分別収集した容器包装の数量は、前年度比で15万トン増加し285万トンになったことが環境省の調査で明らかになった。

◆オブジェクション ‐管理会社を考える⑨ 核心部分が出てこない トラベル給付金不正受給‐ 匿名の人物からもたらされた情報は、昨年10月から12月末近くにかけて、旅行会社大手のHISの子会社2社と系列ホテルがグルになってGO TOトラベルの給付金を不正受給していた事件に関することで、ここに某管理会社もかかわっていたというものだった。今でも……

◆授賞式 ‐第18回ガラスびんアワード 「創家 大坂屋 純米大吟醸720ml瓶詰」 大関㈱の商品が最優秀賞受賞‐ 日本ガラスびん協会(山村幸治会長)は3月18日、千代田区の如水会館において「第18回ガラスびんアワード授賞式」を開催。ここ2年間、新型コロナ感染の影響で断念してきた授賞式は、感染防止対策の徹底を図りながらの3年ぶりの開催となった。審査委員長のリリー・フランキー氏、フリーアナウンサーの富永美樹氏らの出席のもと行われた授賞式では、最優秀賞を大関㈱の「創家 大坂屋 純米大吟醸720ml瓶詰」が受賞したほか、優秀賞や環境賞など受賞8商品が紹介された。

◆読書からの声 続・プラ新法の再商品化、分からないことばかり

◆廃プラ輸出 2月輸出は4.4万トン。平均単価さらに上昇。

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ:国際情勢など反映し鉄スクラップ続伸
古  紙:円安メリットあるが通関価格を疑問視
故 繊 維:中国が繊維廃棄物のリサイクル推進発表
容  器:びんに追い風かアワードに見る環境意識
カレット:ガラスの砂浜.人工干潟カレット使用広がる
ニュース:廃家電の不法投棄令和2年度は5.3万台 ほか

3月号 主な内容

 

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