2022年6月号 主な内容

特集 変化していく業界のカタチ 古紙と事業系一廃のこれから 社会の変容と人口減少と
右から左に売れている古紙。問屋のヤードに在庫はほとんどない。輸出は段古紙が㎏30円と言ってもいい価格に上昇し、新聞は30円を突き抜けた。当分この状態をキープしていくだろう。価格も需要も底堅いが、その一方で古紙の回収量が低下しつつあるようだ。またこの先、回収形態に変化が現れるのではないかと予見する業界関係者もいる。さて、扱うものは廃棄物だが、案外と古紙に詳しいのが事業系一廃業者だ。古紙から業転換した業者が多く、いまでも古紙は扱っている。扱い量が多い業者もいる。この業界にも変化の兆しが差している。
 古紙の回収量が落ちているようだ。古紙再生促進センターが公表しているデータによると、本年1~4月の古紙回収量は合計593万トンとなっている。昨年同期はというと612万トンなので、19万トンほど少ない。
 実は古紙の回収量が低下しているのはここ数年のことではない。「新型コロナによって集団回収を取りやめた市町村もあるから回収量が落ちているのだろう」という声を聞くが、コロナ前から長期にわたり古紙の回収量はジリジリと減り続けている……

◆再エネ発電 ‐再エネ導入・管理の検討会 地域共生の自立分散型電力 現状と課題など整理‐ 経済産業省の「再生エネルギー発電施設の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」(第4回)が6月6日、Web方式で開催された。再エネ発電施設といえば太陽光発電や風力発電がその代表。国が進めようとしているのは大規模な発電所の電力に頼るのではなく……

◆自治体 ‐都の太陽光発電設備R 検討会の報告書まとまる 排出量増大への対応‐ 東京都は6月1日、最終となる第7回「太陽光発電設備リサイクル検討会」(会長・杉山涼子岐阜女子大特任教授)をWeb方式で開催した。修正を重ねた検討会報告書(案)について審議した結果、正式に報告書としてまとめた。2050年CO2実質ゼロを目指す東京都は現在、一定規模以上の新築住宅に対して太陽光発電の設置義務付けをすべく……

◆ズームイン ‐事業系一廃処理業界 76 外国人観光客の受入れ再開も 訪日客数の回復は不透明‐ 東京都のコロナ感染者数が30日連続で前の週の同じ曜日を下回る状況なってきた。6月10日からは1日2万人を上限として外国人観光客の受け入れが再開される。といっても今回は添乗員付きのパッケージツアーに限るというもので、さらにマスク着用や手指消毒など行動管理が厳格化される。ビザ発給の関係で日本に来るのは7月以降になるともいわれているが……

◆視 点 ‐ウクライナ問題が示唆 資源、自給率向上の必要性 安全保障問題といえる‐ ロシアのウクライナ侵略に端を発して、原油や液化天然ガス(LNG)、石炭などのエネルギー資源、金属資源、小麦などの食料資源等々、すべての資源の供給が不安定になり価格が高騰している。こうした資源の海外依存度が高い日本は今後、自給率を高めるといった安全保障対策強化に真剣に取り組まなくてはならないだろう。様々な資源の自給率を高めて海外依存度を縮小していくことの重要性を、ウクライナ問題は示唆している

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸42 管理会社の無茶苦茶な提案 状況悪化に輪をかける‐ ロシアによるウクライナ侵略を契機として、石油や食料など様々な消費財の価格が上昇している。言い直そう。値上がりしているのは様々な消費財ではなく「すべての消費財」だ。電気・ガス、ガソリン、食品、衣服……ことごとく価格アップになっている。値上がりしていないのは事業系一廃の処理料金(収集運搬料金)ぐらいではないのか。周りが値上がりしている中にあって、その影響を受けて業者の経営は青息吐息の状態だ。こうしたところにもってきて……

◆オブジェクション ‐管理会社を考える10 環境省通知の文言について 行政書士が異論唱える‐ 管理会社についてはかれこれ16、7年ぐらい前から数年間にわたって書いていたのだが、ある事柄を知るに及んで、管理会社についてはもう書くのをやめようと筆をおいた。それが昨年夏に、ある管理会社が一廃処理業者への支払を3%引いた金額するという情報を得たことをきっかけにこの項を書きはじめた。管理会社とのこれまでのやりとりや業者の立ち位置などを含めて総括しようかと思ったからだ。すると今年2月に匿名の人物から電話があった。GO TOトラベルの給付金不正受給と管理会社との関わりといった内容だった。これを取り上げたので本項の筋からやや外れてしまった。話を戻そう……

◆総 会 
・関東商組第59回通常総会 理事長に大久保信隆氏再任 循環経済の担い手として
関東製紙原料直納商工組合(関東商組)は、5月25日開催の第59回通常総会において、任期満了に伴う役員改選で理事長に大久保信隆氏の再任を取り決めた。就任のあいさつで大久保理事長は、循環経済の担い手として取り組んでいきたいと強調。

・東廃協第47期通常総会 処理料金適正化を目指し 経済悪化で企業努力も限界
東京廃棄物事業協同組合(東廃協・豊城勇一理事長)の第47期総会が5月25日、新宿の京王プラザホテルで開催された。豊城理事長はあいさつで、コロナによる経済の落込み、ウクライナ問題による原材料の高騰や燃料高など、未曽有の経済悪化が業界を直撃しており、適正処理を担保するための企業努力も限界であるとの現状を示したうえで「処理料金適正化の実現を目指し行政にしっかり要望していく」と語った。

◆講演会
関東商組総会記念講演会 中長期的な課題整理に向けて ~Beyond 2024~
古紙再生促進センター専務理事 川上正智

◆データ
‐令和2年度の状況 産廃処理業の許可件数など 最終処分場の設置は漸減‐
環境省はこのほど、令和2年(2020年)度の産業廃棄物処理施設の設置や産業廃棄物処理業の許可等に関する状況を取りまとめ発表した。これは毎年公表されるが、時系列でみると最終処分場の設置許可件数の漸減傾向が顕著になっている。

‐令和2年度の食品ロス量 522万tと推計開始以降最少 コロナの影響もあるか‐
令和2年(2020年)度の食品ロス量は522万トンとなり、推計を開始した平成24年(2012)度以降最少になった。環境省と農水省がこのほど公表した。食品ロス量は5年連続して減少しているが、減少幅としては令和2年度がとりわけ大きい。コロナの影響によるものかもしれない。

◆廃プラ輸出 4月輸出は5.2万トン、騰勢続く輸出単価

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ 急落のスクラップ市況、緩やかになるか
古  紙 底堅い輸出の一方、業界の将来を示唆
故 繊 維 ファストファッションで事足りる世界に
容  器 PETボトルキャップ再利用した買い物カゴ
カレット 全国自治体のびんR、平ボディ運搬増加
ニュース 使用済製品リユースのモデル事業募集 ほか

5月号 主な内容

 

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