2022年11月号 主な内容

特集 2030、50年のCNに向けて 脱炭素で日本が変わっていく 資源循環も循環経済へ
 パソコンで環境省のトップページを開くと、最初に目に飛び込んでくるのが「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の画像。画像は切り替わり全部で5つ出てくるがこのうち3つが「脱炭素関係」だ。環境省が何に力を入れているか如実にわかる。脱炭素一色といってもよい。しかし、脱炭素に関する環境省のいくつかの委員会の様子を拝見していると、環境省の施策に辛口の意見を出す委員が案外多い。実効性を疑問視しているのだろう。ただ、こうした施策からは将来、地方や都会が、日本がどう変わっていくか想像することはできる。
 環境省はこのほど「脱炭素先行地域」の第2回選定結果を発表した。今年7月26日から8月26日までの1カ月の期間で募集を行なった結果、全国の53の地方公共団体から50件の提案書が出され、20件を脱炭素先行地域に認定した。第1回の選定は今年1月25日から2月21日の期間で募集を行い、全国の102の地方公共団体から79件の計画提案が出され、26件が「脱炭素先行地域」として認定された。
「脱炭素先行地域」を最初に言い出したのは当時の小泉環境大臣で、記者会見録からは令和3(2021)年9月17日とされている。少なくとも100箇所の脱炭素先行地域で2025年度までに脱炭素に向けた先行的な取組の道筋をつけ、2030年度までに実行する、と発言している。そして脱炭素先行地域が目指す方向性については、先行地域は遠い未来の話ではなくて……

◆事例発表 広島市廃協のこれまでの取組(その2) 本来あるべき姿を模索して (一社)全国清掃事業連合会(全清連)が10月19日に開催した全国研修大会での広島市廃棄物処理事業協同組合(広島市廃協・中健一理事長)による事例発表の続き。広島市が発表した処分手数料の突然の値上げ、新規許可の発出、委託業務に一般競争入札導入と、矢継ぎ早の制度改正によって業者はみんな体力が奪われ著しく疲弊し、破たん寸前にまで追い込まれる業者も出てきた。しかし……

◆脱炭素 環境省カーボンP小委員会 成長志向型カーボンP構想 官邸のGX実行会議が軸に 環境省の「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」が11月7日、Web形式で開催された。今回の委員会開催は7カ月ぶりになるがこの間、脱炭素の検討の動きは大きく変化した。数カ月前に他のページでも触れたが、岸田総理は「成長志向型カーボンプライシング」を具体化していくため官邸に新たに「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を設置……

◆自治体 座間市のリユース事業 コーヒーの使用済み麻袋活用 草・木を入れバイオマス資源に 神奈川県のほぼ中央に位置する座間市(人口13万2000人)はこのほど、市民が剪定枝類を入れて排出するのにビニール袋を使用していたものを、域内企業が廃棄物として処理していたコーヒーの使用済み麻袋を譲り受け、ビニールに替わる袋とすることでバイオマス原料として活用するなど、新しい形のリユース事業の取組みをはじめた。この事業は、環境省の「令和4年度使用済製品等のリユースに関する自治体モデル実証事業」に採択されている。

◆新施策 環境省が新たに立ち上げ 脱炭素に向けた国民運動 消費者の行動変容を後押し 環境省は10月25日、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」及び官民連携協議会を新たに立ち上げた。2050年カーボンニュートラル及び2030年度の削減目標に向けて国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を強力に後押しするため新しい国民運動を開始するとしている。来年度のG7サミットにおいて、我が国から製品・サービスをパッケージにした新しい……

◆視 点 脱炭素を巡る検討 経産省主導で議論のまとめ 環境省の立ち位置は 脱炭素に向けての検討が活発化してきた。官邸に岸田総理を議長とする「GX実行会議」を設置し、政策の具体化を図る。GX実行会議については岸田総理から、経産大臣を中心に議論をまとめてもらいたいとの指示が出されている。7月27日に開催された第1回実行会議では、萩生田……

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その5) 行政と業者の協議が必要に 業者収集困難な事態に対応 処理業者にドライバー不足が深刻化している。あと5~6年もしたら収集に回れない排出事業所がかなり増えるだろうと2カ月前に書いた。するとある関係者から連絡が。その場合は排出事業者が自ら処分場(焼却施設)まで運ぶべきと行政は考えているように思える―。そういう「雰囲気」が行政にあるように感じられると。このことを記事化したら別の関係者から、実は自分も同じような感触を……

◆データ 東京23区の資源回収量 令和3年度は55万2000トン 前年度比1万1000トン減 東京23区の2021(令和3)年度の資源回収量は前年度に比べて約1万1000トン減、率にして1.9%の減少の約55万2000トンとなった(特別区清掃リサイクル主管課長会)。

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸46 業界の意識改革が必要では このままでは衰退の一途 ロシアのウクライナ侵略、欧米の金利の引き上げ、新型コロナウイルス感染拡大――。これらがないまぜになって国際的に原燃料価格が高騰し、それによって物価もかつてなかったほどに上昇している。激しいインフレに見舞われていることから、社員に「インフレ手当て」を支給する企業も出はじめている。企業は原燃料価格の高騰を製品価格に転嫁することである程度経営のバランスを取ることができる。しかし事業系一廃処理業界は、すぐに価格転嫁はできない。これは……

◆オブジェクション 管理会社を考える15 再生資源の管理会社も 段ボール古紙を入札に この項は今回で15回を迎えるが、その間、複数の業者の方から連絡をいただいた。いまはドライバー不足から管理会社の案件を断るケースが増えているように思えるが、中には管理会社の仕事を請けざるを得ない苦しい事情を語る業者の方も。10年以上も前になるか。管理会社の仕事を積極的に請けて業を伸ばしていこうという意識を持つ業者がいた。だがそのことに……

◆読者からの声 人手不足が深刻です。どうなっていくのだろう

◆廃プラ輸出 9月輸出も値下がり、ピークアウトに達したか。

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ スクラップ価格ジリ下げ世界的景気減速
古  紙 段古紙輸出価格下落も新聞、雑誌高値
故 繊 維 今年の中古衣料輸出状況、単価が上昇
容  器 びん協と東京家政大が連携Rびん実証事業
カレット 容リ協の来年度入札ガラスびん契約量懸念
ニュース 令和4年度環境スタートアップ大賞募集 ほか

10月号 主な内容

 

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