2023年2月号 主な内容

特集 2022年の再生資源輸出動向 ウクライナ問題などで一段高 先の焦点は中国経済
 日本から2022年1年間に輸出された再生資源の実績が、財務省発表の通関統計で明らかになった。22年のトピックはロシアのウクライナ侵略だろう。エネルギーもさることながら資源の高騰を招いた。日本から出荷された鉄スクラップや古紙などは軒並み価格が上昇。為替が円安に振れたのも幸いしたようだ。この先、焦点はロシアのウクライナ侵攻の展開と中国経済の動向だろう。22年の日本からの再生資源輸出状況を拾ってみた。
 2022年の鉄スクラップの輸出量は631万トンと前年(21年)を100万トン下回った。低水準といえるが輸出価格は前年よりトン1万円高くなっている。ロシアのウクライナ侵略に符丁を合わせるように22年2月から国内の鉄スクラップ価格は高騰を続けた。東京製鉄宇都宮工場の購入価格は、22年1月にトン5万3000円だったものが、2月入りから値を上げ始める。そして3月10日には……
 22年の古紙輸出は前年比数量が減少したものの、平均単価は22%増となった。輸出数量は全体で183万トンだった。前年を53万トン下回った。率にして25%もの減少だ。しかし量の減少に反比例するように㎏あたりの平均単価は上昇しているのだ。㎏5.3円も上がっている。段ボール古紙の輸出数量と㎏単価をグラフにしてみた。単価のピークは5月で31.1円をつけている。為替が円安に突入した時期だ。年初の1月に114.9円(月中平均)だったドル・円は、このあと……
 廃プラの輸出量はついに60万トンを割り込んだ。が、単価は大幅に上昇……

◆中環審 中央環境審議会第30回総会 希望ある社会像など提示 会長の選出や部会長を指名 環境省の中央環境審議会(中環審)は2月4日、対面とWebの両方式で第30回総会を開催した。中環審の委員の任期は2年と定められており、30名の委員の改選が行われるとともに、会長に高村ゆかり氏(東京大学未来ビジョン研究センター教授)を選出したほか、各部会長が指名された。また議事では当面の諸課題について質疑応答が行われ、議案審議の最後で和田事務次官は……

◆環境政策 第六次環境基本計画への検討会 地域循環共生圏実現の方向性 課題と実現方法など議論 環境省は、「第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会」(座長・高村ゆかり氏)の第3回会合を2月13日にリモート形式で開催。今回の議事は「目指すべき持続可能な社会の姿を実現するための方向性(地域循環共生圏・国際関係を中心に)」。地域循環共生圏について、実現に向けた課題を踏まえつつ……

◆地域循環 耕作放棄地における ソーラシェアリング 域循環共生圏の創出 終 IGES(地球環境戦略研究機関)による「耕作放棄地におけるソーラシェアリングによる地域循環共生圏の創出」の実践例は今回が最後。耕作放棄地を利用したソーラシェアリング市民農園を実施し軌道に乗せた井上保子さんは、収穫した「さつま芋」を東京銀座のミツバチプロジェクトに提供し、「芋焼酎」をつくり販売。その縁で「養蜂」を行うなどネットワークが広がっている。人口減、少子化、過疎化など多くの課題を……

◆スポット 海外業者が日本の故繊維を 高値買いして市場が混乱 国内専業者に大ダメージ 国内の故繊維市場が荒れている。マレーシアの業者Nが高値を出して故繊維を集めているからだという情報がもたらされている。いやこの場合、高値とは言わない。「超高値」と言うべきだ。ブローカーがあちこちの自治体の故繊維の入札に信じられない価格を入れたり、様々な……

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その8)  家庭ごみの処理費と同レベルに これ
を下限価格に設定 23区の家庭ごみ処理費用は㎏63円であるのに対して事業系ごみの
理費用は条例で上限価格が40円に規定されている。23区内で同じごみを扱っていなが
処理費用は㎏23円もの開きがある。組合員を対象にした東廃協(東京廃棄物事業協同組合)
のアンケート調査では、「上限価格撤廃」と……
 
◆通 知 環境省が都道府県等に通知 「専ら物」の取扱いについて 解釈の明確化を図る
環境省は本年2月3日、廃棄物適正処理推進課長と廃棄物規制課長名で「専ら再生利用
目的となる廃棄物の取扱いについて」とする「通知」を、各都道府県・政令市の廃棄物行
主管部宛に発出した。専ら物の取扱いに関しては……

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸49 23区処理手数料46円に改定も 体力勝負が鮮 
明化するか 東京23区の事業系一廃の処理手数料が今年10月からこれまでの1㎏あたり40円から46円に改定される。こうした料金改定とは別に、23区の事業系ごみの量は1~2割減少の状態が続いている。コロナ前には戻っていない……

◆オブジェクション 管理会社を考える17 不動産業と同じではないのか ある業者が話しかけてきた この項も年度替わりにあわせてそろそろ幕を引こうと思う。20年ほど前に某管理会社が、ある処理業者とその処理業者が取引していたかなり大手の排出事業者の間に割って入り、処理料金の安い業者に付け替えてしまったことを知ったのが管理会社について書くきっかけとなった。管理会社の是非を巡っては処理業者の間でも揺れていた……

◆読者からの声 資源回収業者のこれからについてどう思う?

◆情報ファイル 全国ユース環境活動大会 環境大臣賞に宮城県農高

◆その他 東京23区10月から改定 事業系ごみ処理費用㎏46円に

◆廃プラ輸出 輸出単価は下落傾向 円高の流れ、原油安等々

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ 鉄スクラップ一段高も読めない中国経済
古  紙 減り続ける回収量22年は1800万t切る
故 繊 維 Sファションは流行をどう見ているのか
容  器 公取委が調査に廃PETボトル流通実態
カレット びんリユースシンポ3月23日開催
ニュース 脱炭素国民運動548の企業、自治体など参加 ほか

1月号 主な内容

 

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