2023年4月号 主な内容

特集 容リの落札単価を巡って PETボトルのこと、あれこれ 今の状況をどう見ているか
 既報の通り、容リ協会の令和5(2023)年度上期のPETボトル平均落札単価は㎏あたり63円(有償落札分以下同じ)となった。昨年下期の落札単価が前代未聞の㎏117円と、120円近い異常単価だったので、それからすると約半値になったということだ。落札が荒れている。この今の状況をどう見ているのか。そして令和5年度下期の落札単価はどうなるのか。数名の関係者に話を聞いた。
 昨年下期の落札単価は㎏120円近かった。この要因について関係者数名から話を聞いたが、大筋ではBtoBを推進する飲料メーカーが高値で煽ったということではほぼ一致している。
 A氏は次のように語る。
 ――ちょうど原油高の時に下期の入札があったものだから、札を入れるリサイクラーはバージンがまだ高くなると踏んだんだろうね。それで120円の落札単価になってしまった。高すぎますよ。そもそも飲料メーカーが高く買うと言っていたのでリサイクラーもその気になった。それが原油価格が下がり、バージン樹脂の価格も下がってきた。飲料メーカーとしては容リPETがあまりにも高すぎたところに持ってきてバージンが安くなったものだから、それならバージンを使おうということになったんじゃないかな……

◆循環社会部会 中環審循環型社会部会 廃掃法に基づく基本方針変更 脱炭素や動静脈連携など 環境省の中環審循環型社会部会は4月11日Web形式による会合を開いた。議題は「廃棄物処理法に基づく基本方針の変更」「次期廃棄物処理施設整備計画の策定」が主なもの。廃掃法に基づく基本方針の変更は7年前の2016年改正が前回だった。その後2050カーボンニュートラル脱炭素化の推進や地域循環共生圏の構築など廃棄物処理を取り巻く状況が変化していること、さらに……

◆災害廃棄物 第2回目の災廃対策検討会 南海トラフや日本海溝地震 災害廃棄物発生量推計を説明 環境省は3月24日、第2回目の「災害廃棄物対策推進検討会」をオンラインで開催した。令和4年度としては最後の検討会になる。同検討会は、「技術・システム検討WG(ワーキンググループ)」「地域間協調WG」など3部門で構成されており、今回はそれぞれのWGが今年度の検討事項について取り組んできた成果結果を報告した。なかでも……

◆環境政策 第六次環境計画に向けて 基本的事項のまとめ(案)提示 持続的可能な社会と地域など 環境省は3月28日、今回で最後となる第4回「第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会」(高村ゆかり座長)をWEB形式で開催。これまでの議論を踏まえた検討会としての取りまとめ案を提示し議論した。第六次環境基本計画の策定は、この4月より中央環境審議会で議論されることになるが、その議論に……

◆自治体 葛飾区、衣類廃棄処分ゼロへ 「繊維to繊維」の取組み推進 TC-Netと協定書締結 葛飾区(青木克徳区長)は、繊維製品の循環型経済の実現を目指す(一社)テキスタル・サーキュラー・ネットワーク(TC-Net・木村照夫理事長)と、衣料を中心とする繊維製品を新たな繊維製品としてリサイクルする取組み「繊維to繊維」で連携・協力する協定を締結した。同区では可燃ごみの中に繊維製品が毎年約2000~3000トン含まれており、繊維to繊維の取組みを進めることで廃棄衣類の削減と回収した衣類の資源化率向上を目指し、それによって温室効果ガスであるCO2の排出削減につなげていく。3月31日に締結式が行われた。

◆データ 市町村の容器包装分別収集量 令和3年度は283.2万トン 前年度比で1.8万トン減少/令和3年度のごみ排出量 4095万tで前年度比1.7%減 コロナ禍引き続き影響

◆topic 白井グループなど4社が共創 PETボトルの一元回収実験 循環経済への取組み検証 白井グループは、野村不動産ホールディングス、サントリー食品インターナショナル、首都圏環境美化センターと協働で、循環型経済(サーキュラーエコノミー)・CO₂削減に資する取り組みとして野村不動産グループが管理する19物件(オフィス4物件・マンション15物件)を対象に、オフィスとマンションから排出されるPETボトルを一元回収(一括回収)することでのCO2削減の実証実験と分別排出状況の検証を行った。

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その10)  ドライバーが入ってこない 業界環
境・システムに課題 23区の清掃工場に搬入される事業系ごみの量が、徐々にコロナ前に近づきつつある。コロナ前の状況に戻るかどうかは分からない。が、たとえそうなったとしてもこの業界は手放しでは喜べない。というのも決定的な「難点」を抱えているからだ。若い人、とくにドライバーが入ってこない。給料の問題ではない。若い人の働き方の意識によるところが大きいのだ……

◆クエスチョン またひとつ疑問が湧く 区が収集する事業系ごみ 家庭系ごみで処理? 前号で述べたが東京23区のごみ処理費用について、ある自治体から問い合わせがあったことからごみ処理量とそれにかかっている費用を調べ始めたら様々な「疑問」が浮かんできた。令和3(2021)年度の東京23区のごみ量は総量で253.3万トン(23区清掃一組・清掃事業年報)。内訳は家庭系ごみが176.7万トン、許可業者などが排出事業者から収集・運搬して搬入する持込ごみ、いわゆる事業系ごみが76.6万トンとしている。しかし、この搬入量の割合は何かが抜け落ちているように思える。それは……

◆シンポジウム 循環経済から見たびんリユース 様々な関係者が事例発表 状況や課題などを説明 びんリユース活動を推進・支援している「びんリユース推進全国協議会」(安井至代表)は3月23日、日本ガラス工業センターを会場に「循環経済・サーキュラーエコノミーから見たびんリユース」をテーマに市民・行政・学生などのステークホルダーが一堂に会して考えるシンポジウムを開催した。

◆情報ファイル DOWAなど3社、秋田県と首都圏のラウンド輸送で合意

◆廃プラ輸出 台湾向けPETフレーク高い。ポリスチも値を上げる。

◆リサイクルマーケット
鉄 ク ズ 鉄スクラップ価格下落続く海外相場軟調
古  紙 関東の問屋の古紙在庫多いと言えるのか
故 繊 維 衣料に関する環境問題変化していく社会
容  器 ガラスびんの消費者調査若い人は理解低い
カレット 市町村の分別量びんは減少傾向たどる
ニュース フタバが1500店舗で導入リユースグラス ほか

3月号 主な内容

 

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