2023年7月号 主な内容

特集 東京23区の事業系ごみ 清掃工場で度を超した検査 処理業者から怨嗟の声
東京23区の清掃工場に搬入する事業系一般廃棄物のチェックが、今までない厳しいものとなっている。たとえば搬入した袋の中にPETボトルが少しでも混入していようものなら、不適物混入ということで「顛末書」の提出を求められ、最悪の場合は「搬入停止」に至ってしまうという。まるで恫喝だ。事業系一廃業者のほぼ全社がこうした状況にあるようなのだ。しかし、排出事業者のごみの排出を指導するのは行政の役割で、事業系一廃業者にその権限はない。それなのにこんな理不尽な仕打ちを受けて、処理業者から怨嗟の声が聞こえる。
 清掃工場での事業系一般廃棄物に対する度を超した不適正物検査がはじまった時期は、業者によってバラツキはあるものの、今年の2、3月あたりからが比較的多いようだ。ただ6月とか、中には昨年から「やられていた」という業者の声も聞かれる。
 清掃工場の運営・管理を行っているのは「23区清掃一部事務組合」(清掃一組)で、事業系ごみの搬入検査も清掃一組が担っている。業者の一部は、不適正物が少し混入していたことから清掃一組から「警告書」が出され、さらに「顛末書」を書かされた。そればかりでなく……

◆廃・リ説明会 全国廃・リ主管課長会議 脱炭素化と循環経済への移行 環境省が施策や方針など説明 環境省による「全国廃棄物・リサイクル行政主管課長会議」が6月23日、Web形式で開催された。国の環境再生・資源循環に関する課題や動向、各施策の方針などを説明し、自治体に対応や協力などを求めるもの。循環型社会推進室、リサイクル推進室、廃棄物適正処理推進課……等々計9つの課・室が限られた時間のなか、駆け足で説明を行った。全体のトーンとしては脱炭素化と循環経済への移行――と言えようか

◆環境政策 第六次環境計画に向けて 景観価値の視点など語る 有識者からのヒアリング 第六次環境基本計画の策定に向け検討を開始した環境省の中央環境審議会総合政策部会は、6月30日の会合で慶應義塾大学環境情報学部の安宅和人教授からヒアリングを行った。安宅教授は東京大学卒業後、マッキンゼーを経て、ヤフーに入社。幅広い商品・事業開発に関わるなど経歴はやや異色。環境と経済の両方に通じており、内閣府デジタル防災未来構想チーム座長を務めるなど守備範囲は広く公職も多い。ヒアリングでは……

◆脱炭素 地方公共団体の脱炭素推進 再エネ事業者なヒアリング 「中間支援組織」が必要 「地域脱炭素を推進するための地方公共団体実行計画制度等に関する検討会」の第3回会合が開催された。CO2削減に向けては、地方公共団体による再生可能エネルギーの促進が大きなポイントになる。第3回会合では「太陽光」「風力」「地熱」などの再エネから9件の事業者がヒアリングを受けた。その中の「たんたんエナジー」(京都府)は、エネルギーと人をつなぐパブ機能を果たすなど……

◆プラ入・落札 5年度の容リ協会落札状況 製品プラの量は全体の1% 市町村の取組みこれから プラスチック資源循環法(プラ新法)が施行されてから1年が経過した。プラ新法では市町村が分別収集をした製品プラの再商品化を容リ協会に委託することができるとしている。容リ協会では平成5年度に「容リプラ」もさることながら、「製品プラ」の引取り状況、落札結果も公表している。そこから見えてきたのは……

◆アングル 容リ協の下期のPETボトル入札 10円程度下落するとの観測も 容リ協会が実施する再生処理事業者による令和5年度(2023)下期のPETボトル入札期限が迫ってきた。入札期限は7月11日~同月7月31日までで、契約期間は本年10月から来年3月までの半年間。急騰急落を演じている落札単価にあって、この下期はどうなるか。関係者の間からは10円程度値下がりするのではとの憶測も流れている。今年2月に公取委がPETボトルのリサイクル取引実態の……

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その13)  変化の要請の波押し寄せる 廃掃法は時代に合っているか 一般廃棄物は収集運搬の再委託は認められていない。だから業者間で仕事の交換をすることは再委託になるので法に抵触することになる。一方で、時代は早いスピードで変化している。働き方改革によって、従業員の勤務時間を短くすることが求められているし、きちんとした休日も組み入れなくてはならない。次々と業界に「対応せよ」「変化せよ」と……

◆オブジェクション 管理会社を考える20 管理会社に感謝していると いろんな業者がいるものだ あれは何年前のことだったか。管理会社を快く思っていない、ある県の業者の方から連絡をいただいた。同業者を何社か集めるので管理会社への対応を協議する、そういう会議を持つので参加してくれないかといったお誘いだった。もちろんお伺いしますよと返事をした。そして当日……

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸53 業者は考えた方がいいのでは 物価高騰でもじっと我慢か 東京の場合、事業系一般廃棄物の処理手数料は行政の焼却施設の受け入れ料金の変更と同時に改定される。オリンピックではないがこれまで4年に1回の割合で改定されてきた。しかし今年10月に予定される改定は実に6年目になる。間に新型コロナ感染の時期があったから改定の検討が進まなかったといわれている。この間、世の中は食料から光熱費、エネルギーそしてサービス料まですべてが値上げラッシュで価格の高騰が起きた。こうした状況にあって業者……
 
◆説明会 びん協・3R促進協 2023年度の事業計画 ガラスびん環境優位性を訴求 日本ガラスびん協会とガラスびん3R促進協議会の両団体(会長:野口信吾東洋ガラス社長)は7月7日、「2023年度の事業計画」に関する記者説明会を開催した。

◆衣料品 繊維製品循環システム 異なる関係者多く調整可能か 大詰め迎えた検討会 経産省と環境省の「繊維製品の資源循環システム検討会」の第6回会合が7月18日開催された。本年1月の第1回から会合は6回を数え、この8月には「取りまとめ」が行われる。欧州委員会が2030年までにリサイクル繊維を大幅に活用するなどを目標とする「持続可能な循環型繊維戦略」を公表している一方で、日本ではこの分野が手つかずとなっていた。そこで今回検討会を……

◆情報ファイル 三井住友信託銀行、エンビプロと連携協定

◆廃プラ輸出  PETくずフレーク状 米国への輸出が増加傾向 5月の輸出量4.4万t

◆リサイクルマーケット                        
鉄 ク ズ 鉄スクラップ輸出値上昇も不透明感が
古  紙 人口減の状況にあって古紙の回収量は
故 繊 維 この状況続くと専業者は生き残れない
容  器 びっくり!にっこり「缶謝状」いただく
カレット 家庭系びん排出量7割台、引渡し茶が3割
ニュース 脱炭素の国民運動愛称は「デコ活」 ほか    
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訃報 白井グループ代表取締役 白井徹氏逝去

6月号 主な内容

 

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