2023年9月号 主な内容

特集 令和5年度容リの下期入札 PETボトル正常化へ近づく ㎏単価47円と大きく下落
 容リ協の今年度下期のPETボトル落札結果が公表された。㎏単価は平均で47円(有償分以下同)と、前年同期の117円という異常価格の40%と大きな下落となった。昨年度下期に117円を記録した落札単価に、BtoBを進める各清涼飲料メーカーもさすがに買いきれず、その反動で結果今回の価格となったのだろう。容リ制度で回収されたPETボトルの向け先はBtoBだけではなく、シートや繊維もあり、これまでそうしてある程度バランスが保たれてきた。その意味では今回の落札結果は、正常化に向いつつあると言えるのかもしれない。
 令和5年度下期のPETボトルの㎏あたり平均落札単価(有償分以下同じ)は47円と、前年同期117円よりも70円安と、信じられないほどの下落となった。昨年度の下期があまりにも高すぎたため感覚として際立って安くなったような気持ちになる。しかし都心部はかなり高い。㎏60円台が多く65円あたりが目に付く。遠東石塚グリーンペットの落札が目立つ。
 通年の平均単価をみると、令和4年度は㎏89円、これに対して令和5年度は56円だから、33円、約30%程度下がった。それでも過去の落札推移からみるとまだ高い方だ。平成21年度(2009)からこちら、有償・逆有償を合算した場合、3番目に……

◆環境政策 第六次環境計画に向けて 中間とりまとめ(案)審議一旦幕 広く社会の意見を募集する 第六次環境基本計画に向けて審議を続けている環境省の中央環境審議会総合政策部会(高村ゆかり座長)は、「中間とりまとめ(案)」についての2回目の議論を8月30日に開催した。前回は事務局が示した(案)について、「危機感が足りない」「現状認識が甘い」との意見がほとんどの委員から出され、低評価だった。そこで今回は多くの箇所を削除・修正したものを提示した結果……

◆循環型社会 中環審循環型社会部会 策定の指針(案)さらに検討 11月から次期基本計画審議 環境省の循環型社会部会(酒井伸一部会長)が8月31日開催され、関係者のヒアリングを行った後、前回会合で議論した「次期循環基本計画(第五次計画)策定のための具体的な指針案」の修正したものをさらに検討を加えた。なお、業界関係者からのヒアリングは今回で終了となった。今後は、11月頃から指針案を踏まえた次期基本計画の審議を行う。そして年明けの令和6年2~3月に……

◆アパレル 繊維製品の資源循環システム 検討会で報告書(案)を議論 進展する欧州の取組みに対応 経済産業省と環境省を事務局とする「繊維製品の資源循環システム検討会」(新宅純二郎座長)の最後の会合となる第7回会合が9月21日開催され、報告書(案)を議論した。繊維製品は特に欧州において、環境配慮対応など持続可能な取り組みが急速に進展していることから……

◆オブジェクション 管理会社を考える22 業界に混乱もたらす管理会社 仕事を請けた業者は致命的 先月号のこの欄で、管理会社の仕事を請けていた都内の一般廃棄物許可業者が9月の1カ月間、収集運搬事業停止命令という行政処分を受けたことを、持ち時間がなかった関係でざっくり書いた。今回はもう少し突っ込んで書くことにする。この業者が管理会社から請けていた店舗数は約……

◆時の話題 一般廃棄物処理の新機軸54 新たな処理手数料改定方法 行政側の反応は鈍いようだ 今年10月、東京23区の処理手数料が実に6年ぶりに改定される。世の中、エネルギー価格や光熱費、食品、サービス料金等々すべて値上げのラッシュの中、業者は6年間じっと我慢してきたわけだ。しかし、今年の東京廃棄物事業同組合(東廃協)の総会のあいさつの中で豊城理事長は、「その時々の状況に応じて、手数料の改定時期さらには改定幅等も業界の意見を取り入れ(23区に)対応していただけるよう強く要望していく」と述べた。そして、23区にそのための協議を求めてやっと最近になって協議が行われたようだ。が、……

◆topic ごみ発電の地産地消事業の協定 柳泉園組合・日鉄エンジ 柳泉園組合(東京都東久留米市)はこのほど、東久留米市および日鉄エンジニアリング㈱と脱炭素社会の実現に向け、ゼロカーボンシティとしての取組みに貢献するエネルギー地産地消に関する「柳泉園クリーンボートのごみ発電余剰電力を活用した電力地産地消事業基本協定」を締結した。日鉄エンジが……

◆データ 令和4年度の23区ごみ量 254万tで前年比ほぼ横ばい 家庭系3%減,事業系8%増 東京23区清掃一部事務組合はこのほど、令和4 (2022)年度の都内23区のごみ収集状況をとりまとめ公表した。ごみ量は区収集ごみ(家庭系ごみ)と持込ごみ(事業系ごみ)合計で約254万トンだった。前年の令和3(2021)年度比で約7000トン増、率にして0.3%の増加となった。

◆ズームイン 東京23区の事業系一廃(その15)  清掃一組は収集現場を見よ 都心の飲食店はひどい状態 東京23区清掃一部事務組合(清掃一組)による清掃工場での業者が持込む事業系ごみの不適物混入検査は、いまだ厳しいチェックが続いているようだ。びん・缶・PETボトルや金属類などは産業廃棄物なので清掃工場に持込むことはできない。不適物といえる。しかしどうだろう。現実問題として飲食店から排出されるごみの中に、こうした不適物が全くないということがあるのだろうか。とくに都心部の飲食店の場合は、ごみの出し方がひどいケースが多い。清掃一組はただ単に業者が搬入するごみを厳しくチェックするのではなく……

◆データ 東京多摩地域のごみ量 令和4年度は103.4万トン 過去最も少ない量に 東京市町村自治調査会はこのほど令和4年度(2022)の「多摩地域ごみ実態調査」をとりまとめ公表した。多摩地域30市町村(人口425万1164人)それぞれから上がってくるごみ量のデータを集計したもので、それによると総ごみ量(行政による家庭ごみ収集量+事業系持込ごみ量)は103万4339トン、前年度(令和3年度)比で約2万4000トンの減少となった。

◆自治体 茨城県が意見募集開始 ヤード保管適正化条例案 再生資源物の屋外保管規制 茨城県は、鉄スクラップや廃プラなどの再生資源物を屋外で保管する「スクラップヤード」を規制する条例案の骨子について意見募集(パブリックコメント)を開始した。保管事業を5年更新の許可制とし、積み上げる高さを最大5メートルに制限した。火災や崩落、解体時の騒音・振動の発生……

◆廃プラ輸出 7月の輸出価格 前月比ほぼ横ばい 輸出量約5.3万t

◆リサイクルマーケット                        
鉄 ク ズ 輸出価格の上昇が国内価格を押し上げた
古  紙 中国経済低迷,製紙・古紙ともパッとせず
故 繊 維 国が動き始めた使用済み衣類の資源循環
容  器 消えていく夏の風物詩ラムネびんPETに
カレット ガラスびん引渡し量実績から様々な分析
ニュース 業界横断12社によるプラ容器回収実証実験 ほか

8月号 主な内容

 

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